ポケカや遊戯王、トレーディングカードも高価な物が増えるにつれ、価格の指標となるPSA鑑定の重要度も非常に高くなってきています。
その一方で、PSA鑑定の認知度が高くなればなるほど、様々な手段で中身のカードをすり替えたり、偽造を行ったりといった行為も行われるようになり、被害にあってしまう人も出てきています。
今回は、PSA鑑定のすり替え及び偽造についての解説と、被害に合わないための対策などについて解説していきます。
この記事を読んでわかる事
- PSA鑑定で実際にあったすり替えの被害
- すり替えなどを防ぐための4つの方法
- 被害にあってしまった時の対処法
安心してカードをコレクションしたい、自分のコレクションは大丈夫か、気になる人はぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
実際にあったすり替え・偽造の被害や手口
まず、実際に起きてしまったPSA鑑定品のすり替えや偽造品による、被害について紹介していきます。
SNSなどが発達した現在では、実際に被害にあった人の生の声なども見つけやすく、どんな手口があるのか、どんな事件が起きているのかといった事が伝わりやすくなりました。
PSA鑑定品を購入する事を検討しているコレクターにとっては、決して他人事ではない話も多くなるため、自己防衛のためにも覚えておいて損はありません。
PSA鑑定品と偽った偽造品が出品されている
PSAの鑑定品と偽った、すり替え品や偽造品の出品が行われ、実際に落札・購入されてしまっている、というケースが散見されています。
以下のような内容の投稿で注意喚起が行われてもいます。
と、このような具合で、様々なケースが報告されているのが分かります。
これだけでも、現状PSA鑑定品のすり替えなどが多くなってきおり、手口も巧妙な物が増えてきている事が分かりやすいのではないかと思います。
今回例に上げたのは「悪意を持って行われている事」ですが「すり替え品や偽造品である」と気づかずに出品しているケースなども含めると、もっと数は多くなるでしょう。
PSA鑑定品である、というだけで安心してしまうのが一番危険、とも言えます。
過去に偽物が鑑定されてしまったケースもある
過去には、PSAで鑑定されたカードが偽物だったのではないか、販売元が気づかずに販売してしまったのではないか、という事が話題となった事もあります。
具体的には、下記のXのポストのような内容です。
上の事件は、ユーザーから指摘され改めて鑑定をした結果、本物なのか、贋作なのか結論が出ない、という何とも歯切れの悪い事件となってしまっています。
この件に関しては少し古い話である事に加え、カード自体も古く判断材料が少ないという原因はありますが、実績のあるPSA鑑定と言えども全て完璧にこなせるわけではない、という意味でもあります。
実際に本物のカードを利用して加工を偽造するといった、高度な手法で作られた贋作などもあるため、例えプロであっても完璧な判断は難しいのが実情となってしまっています。
頻繁にこういった事件が取り沙汰されているわけではありませんが、こういった事もある、という認識は頭の片隅に置いておきましょう。
すり替え品・偽造品を見抜くための4つの方法
すり替えや偽造といった問題も発生しているPSA鑑定品ですが、その全てが見抜けない程に精巧な物、というわけではありません。
いくつかのポイントを押さえて、見抜くための方法や、調べる方法について解説していきますので、PSA鑑定品を購入する際に参考にしてみてください。
ただし、あくまで素人目でも比較的行いやすい見抜き方を紹介するだけに留めていますので、あまり過信はし過ぎず、購入の際は慎重に行動するようにしてくださいね。
PSAのラベルやケースの特徴を覚えておく
PSA鑑定品のすり替え・偽造などに多い手口として、良く似たケース・ラベルなどを使用し、実際には鑑定がされていない物を販売する、という手法が挙げられます。
分かりやすい点では、
- PSA公式の鑑定品に使われるケースには、右下部分にロゴが入っている
- コピーされたラベルにはPSAのロゴが濃く印刷されている
といった点が素人でも見分け易いポイントになります。
また、PSA公式の専用ケースは超音波を利用して密封するため、入れ替えを行うためには必ずケースを割って入れ替える必要があります。
不自然な傷や割られたような痕跡がないかなど、細かくチェックする事で、すり替え品や偽造品を掴まされてしまうリスクを軽減する事ができます。
ただし、昨今では非常に精度の高い偽造ケースなども出回っており、素人目に判断するのは非常に難しくなってきてもいるため、注意が必要です。
カードの背面からライトを当てる
すり替え品や偽造品の中には、全く別物のカードの上にシールを重ね合わせて偽造する、という物があります。
この方式で作られている物は、背面からライトを当てる事で、中のカードが透けて見える事があるため、偽物だった場合は見抜く事が可能です。
あくまで一つの手段として覚えておくべき方法であり、別の方法で偽造されたカードには効果がないため、他の方法と合わせて、チェックの一環として行っておくと良いでしょう。
偽造防止マークなどがカードにあるかをチェックする
カードによっては、偽造防止のためのマークなどが印刷されている場合もあります。
有名なものでは遊戯王では古いものを除き、カード右下に偽造防止用のプリズム加工が入っている、といった工夫がされている事が確認できます。
こういった偽造防止用のマークがある場合はチェックするべきですが、それ以外では色合いの違いや加工の違いなど、専門的な知識が必要になってくるため、初心者では難しいでしょう。
残念ながら、PSA鑑定品などの流通も多いポケカではこの偽造防止マークなどはないため、素人がこの方法で偽造品を見抜くのは難しいかもしれません。
PSA公式サイトで証明番号を検索する
最後に、一番信頼度の高い方法としてPSA公式サイトで「証明番号」を検索する方法が挙げられます。
PSAで鑑定されたカードには、証明番号という物が印刷されており、PSAの公式サイトから
「この証明番号はどのカードなのか」
という情報を調べる事ができます。
証明番号が同じで違うカード、という事はPSAの手続き上ありえないため、番号とカードの情報が一致しなければ、すり替えなどが行われている事がすぐに分かります。
これは真贋判定の知識がない素人でも簡単に行なえて、かつリスクを最も回避しやすい方法であるため、必ず行うようにするとよいでしょう。
PSA鑑定品のすり替え・被害を防ぐ4つの対策
すり替え品や偽造品を見抜くための方法を解説しましたが、今度は実際に買い物をする際、被害に合わないための対策についても解説していきます。
買い物や取引の際、注意深く行動する事で、PSA鑑定品のすり替えや偽造品を購入してしまう、という被害を未然に防ぐ事も可能になります。
実際に購入してしまったすり替え品や偽造品に対して対応するよりも、最初から被害に合わないように行動する事を心がける方が重要です。
メルカリなど個人間での取引をしない
すり替えや偽造品を買ってしまう、という被害を防ぐ最大の方法としてまず、メルカリなどを利用しない事です。
メルカリやヤフオクといったフリマサイト・オークションサイトなどでも、PSA鑑定品が出品されている事は珍しくありませんが、トラブルの報告なども多いためなるべく利用しない方が安全です。
個人間での取引になる事は変わらないため、クーリングオフなどの返却・返金を法律で保証されておらず、利用する場合は必ず事前に細かく質問・チェックなどをしてみましょう。
出品者からの説明が曖昧だったり、突然値下げを提案されたりといった不可解な行動・発言が見えた場合はすぐに取引中止を検討した方が無難です。
不当に安い価格の鑑定品を購入しない
次に、注意するべきポイントとしては、異常に安い価格で販売されている鑑定品を買わない事です。
PSAで鑑定されたカードに関しては、良い意味でも悪い意味でも価値が保証されている状態であるため、市場価格が大きく下がる、という事はほとんどありません。
セールなどで値下げが行われている、というケースは存在しますが、それでも半額などになる事はまずないと考えてよいでしょう。
カードの単価にもよりますが、一般的な市場価格から見て数割単位で価格が安い物は、すり替えが行われていたり、偽造品だったりという可能性が高くなります。
PSAの鑑定品を購入する際にはまず、しっかりと市場価格を調査しておく事も大切です。
ネットで購入する場合は保証制度があるサイトを利用する
実物をその場で確認する事ができない、ネットショッピングを利用する際は必ず「保証制度」があるサイトを利用するように心がけましょう。
一部のネットショッピングを利用できるカードショップなどでは、購入の際に保証制度を設けている所が存在しています。
PSA鑑定品の取引を手掛けている有名な所では「magi」などが該当し、こちらでは「あんしん取引」というプロによる真贋判定を行った上で取引ができるシステムが存在します。
ネットショップなどを利用する場合は、必ず利用規約などを熟読し、真贋判定の有無や保証をしてくれるか、という点をしっかりと確認した上で利用するのがおすすめです。
購入する店舗は知名度などが高い場所に限定する
PSA鑑定品を店舗で購入する時は、知名度が高い・名前が知られている店舗に限定するのも一つの対策になります。
ネームバリューのある店舗で「すり替え品や偽造品を売ってしまった」となれば店舗としての印象は悪くなるため、当然真贋判定にも積極的になります。
有名な店舗であるほど、口コミや評価の声なども当然多くなるため、安心して購入ができるかどうかという判断もしやすいというメリットもあります。
逆に知名度が低く、実店舗が存在せずネットショップのみ、といった店舗でPSA鑑定品を購入する時は、十分に注意する必要があるでしょう。
被害にあってしまった場合の対処法
最後に、実際にすり替えられたカード、偽造されたカードなどを購入してしまった、被害にあってしまった場合の対処法についても解説していきます。
ただし、ここで解説する事を実践したとしても、根本的な解決にはならない事も多く、泣き寝入りになってしまうケースもあります。
色々な対応に追われ、様々な連絡などで体力的・精神的に疲れてしまう可能性もあるので、まずは被害に合わないように下調べや準備を怠らないように心がけましょう。
個人・運営業者と返品を交渉・協議する
カードを購入した後にすり替え品・偽造品である事が発覚した場合、まずは返品交渉しましょう。
フリマサイトなどを利用した個人間取引の場合は、最初は直接出品者とやり取りをする事になりますが、大抵の場合は突っぱねられるなど、上手く行かない事が多いでしょう。
直接的なやり取りだけで解決できない場合は、運営などに報告・連絡し、間に入ってもらい協議してもらうようにすれば解決する可能性はあります。
フリマサイトなどを利用している場合は、相手を評価してしまうとその時点で取引が成立してしまい、後から協議する事が難しくなるため、評価などをしないよう注意が必要です。
また、出品者とのやり取りなどは全てスクショを取るなどし、証拠として残すことで協議を有利に進められる可能性もあるため、高額なPSA鑑定品を購入する時は慎重に行動しましょう。
消費者センターに相談する
運営事業者などと協議しても解決できそうにない場合、消費者センターに相談する事も視野に入れましょう。
フリマサイトを利用している場合はフリマサイトの運営事業者に、カードショップなどで購入した場合には店舗に処分や指導を行ってくれる場合があります。
相談を行う事で、こういった事例に対してどう対応するべきなのか、消費者センター側に知識などが蓄積されていく事も、消費者にとってはメリットになります。
ただし、あくまで処分や指導を行ってくれる可能性がある、というだけで、消費者側に返金などの対応がされるかどうかは別問題となってしまう事は覚えておきましょう。
PSA鑑定すり替えまとめ
希少なカードや高価なカードが増え、PSA鑑定などが市場価格の参考にされるようになった昨今、仕方のない部分もありますが制度を利用した詐欺なども増えてきています。
特にすり替えや真贋の判定は、コレクター側にも一定の知識などが要求されてしまいますが、安心してコレクションに集中できるよう、勉強しておくのも重要となってきます。
専用の機材などが必要な方法はハードルが高く、難しくなってしまいますが、少し気をつけるだけでも効果がある部分については、普段から意識しておくと良いでしょう。